母の門 Mothergate (詩歌) マイ・バン・ファン 森井香衣訳 - Kae Morii

マイ・バン・ファン(ベトナム)
森井香衣訳 - Kae Morii



-森井香衣(Kae Morii)

 

 

母の門(*)

(Mothergate)

 

I

 

母はこどもを育てる、月のように。

豊穣の大枝から大枝を渡る音、その遠吠え。

こどもへの愛の肌と肉は、闇夜に深く浸透し、

雨とともに、川の源を覆う厚い積層雲を持ち上げる。

一本の枝が水面で揺れている

不意に一羽の鳥が止まるところで

僕だけが道からかなり遠い、その小鳥を見ることができる。

庭から遠く、他の鳥の群れからも遠く。

僕は水底で光の環をしずかにとおり過ぎ

羽をひろげて、空を見上げる。

 

その鳥が

パクパク口を開けているヒナたちに

餌を与えようと嘴を差し出している

木の天辺に昇りながら

 

胸のなかの餌を砕いた音

裸の大地と青い果実

濃い緑に覆われた森の天蓋

 

大地に新しく生まれた子ども

オタマジャクシが尾っぽを切り離す川を泳いで渡れ

飛び立とうと羽をパタパタすると、風が暖かい巣穴に送られてゆく。

子葉の葉を発芽させます, 自由に飛んでゆけ。

 

川の波止場で靄が立つ

空間が時代の混乱を色濃くする

煙が高く昇っていく

私は、海の霧のなかを泳いでいるのが分かる。

 

霧ではなく、雨。

高い塔が光っている

 

息を吸うと、筋肉が引き締まり、葉っぱが歌っている …

死の帰還、突然、咲いている花のなかに

 

私は、ある海岸線で身震いする。

水面は、波立たないところで喉を詰まらせている。

 

びちゃびちゃと冷たい水がゆっくりと漂いながら…

 

突然、高潮の季節がコオロギの穴を水浸しにしたことを思い出す。

ぶくぶくと泡立つ音段階ごとに泡が湧き出るパチパチ音

だから、私はどこが穴の入り口かが分かったのだ….

 

II

 

子どもを大地に置け

川床は夜の体から引き離すように傷ついている

 

自然は艶やかに濡れている

崩壊の木の幹が裂けてゆく

水がいつの間にか流れ

より速く流れ

 

私の溢れる涙が雲の巣を拭い払うI

鷺のしゃがれた声

灰、廃墟、蒼白が一瞬きらりと光り

月が震えている

 

地面に描く小石を拾え

一つの原野

狼狽した若い子牛

 

大ざっぱな輪郭を修正すると、子牛は屈んでじっと見る。

 

もう一方では、大きな目を描いた。

野性の目なのか、それとも、人間の目を。

残っている空っぽの箱に言葉を書け。

 

III

すぐ傍で、声。

夜明けに、あなた自身を変えなければならない!

 

果実

火の明かり

イン・ヤングの水碗 

 

夕暮の薄明りを這うように

殻から、ゆっくり、体を出せl

私は落ちてくる雫を一滴、一滴、飲む

 

積み上がる青ざめた殻は

届かなかった

 

人々は互いに助け合うことができなくなってゆく、

夜明けの終焉。

 

IV

 

木蔭が足もとで泣き出す

地図のイメージは、引き剥がされたのか?

それとも、の死体なのか?

私は、火格子を組みながら、ひどく怖れた。

自分の周りに偽装爆弾を置いた

ナイフを研ぎ澄ましながら

マッチ箱を用意しながら

 

地平線に近づきながら

さらに、恐ろしく漂う暗闇。

感情よりも素早く

 

不安を募らせ、敵意を。

地では、夜の闇が完全に

消された。

 

V

 

私は小さな祈りを追いかける

失った方向よりも波頭に自分を投げ出し

 

朝を迎える夢の

低い波

 

私の骨は傷つき

尾と背びれは霜やけになり

そこには、糸を通すひとつの手があって

ずるずると私を大地に引きずる

 

それらは雨から避難するのを止め

突然、私を解放する。

波の足もとで

 

私は雨に感謝した

雷鳴と冷たい風

 

VI

 

最近、床に伏せていた父が起き上がって、ドアの外に出ようとして、光の隅っこに倒れる。

 

父は指さそうとしながら、「葉っぱの上にいる、あの青いカブトムシは、私が最初に見たのだ。」と言った。

 

私は、父が昏睡状態の時に、たわいない話をする。ほとんどの話は、しばしば、ゆっくりと家のなかを飛ぶことができた。深い井戸は、窓まで水嵩を増す。 crypsirina temia bird 鳥の音の話は、皆が薬鉢を見つめるようにさせる。

 

父の体は、まるで浅い川、枯れ木、空っぽの籾殻。

ふさふさと重い果実が強風に揺れている。

 

父が不意に呟く。「どうか、休ませてくれ。」

さわさわと屋根をこする葉の乾いた音に、父と私は涙をこぼす。

 

VII

 

私に黒い上着をかける世界

ただ、目だけが祈るために開いている。

 

ぶつぶつ言いながら、私はまだ、思っていた。

...白い手黒い血白い舌黒い涙白黒白い髪の黒い巻き毛黒い汗

 

すべてに黒くこぼれてしまうだろう

この世の人々を救うために祈ろう

 

灯台…

真っ白のキッチン

 

あらゆる方向で見ろ

黒板を見上げるのを覚えたように

色を区別するのを学びながら

文字を綴るために

この白の十字路

大地の表面、海面の白

偉大な老人、椅子、女の白

白色の検察官、農夫

 

大声で朗読しても、まだ、心にはざまざまな思いがあり

白い舌黒い涙白黒白い髪の黒い巻き毛r…

 

VIII

 

巻き上がり、冷たい風に私は眠る。

胎児になる夢

太陽と繋がるへその緒

 

木々の天辺を飛び越えろ

ちらりと見る目は、すすり泣いているかのように青い。

 

大枝のちっぽけな蕾たち

王の体のなかで軽快に爆ぜながら

私は目覚める

 

道が始まったあの場所

ふらふらと立ち上がる子馬

虫たちが幹から這い出す虫たちの群れ

水の喉を一気にでてゆく小さなエビ

 

IX

 

太鼓の音と八つの飾り

宮廷の祭りを開いて

天に歌い、踊れ。

四つの宮殿の素晴らしさ

門弟の心を開けよ

寛大な眼差し

静かな空模様

優雅を称える格別の結びの言葉

敬重な叩頭の礼

女神の側面を守る四人の神々

金襴と花の刺繍で作られた 魔術師の衣装とターバンが

溌剌と行ったり来たり

天と地を滑らかに動いている。

粉をはたいた頬、ルビー色の唇

打ち鳴らされる竹のリズムと数珠になった硬貨のカスタネットのリズム

聖なる龍が空を舞っている

五人の偉大な中国の高官 

揺れる手

優れた天分と深い美徳

その炎は煌めき

庇護しながら

粘土に巣を作る蜂を愛している

絹の糸を吐き出す蚕

服装とひらひらしたスカーフ

反芻する沖積土

川床に戻る風

黄色いカサバメロン、洋ナシ形のメロン

蓮の芳香と葉を広げる檳榔樹

その地域に入ってゆく少年少女

しなやかで香りがよく思いやりがあって

スゲの敷物を用意し、毛布を用意し

花のように、蝶のように

成長する喜び

大地のように、空のように

みずみずしい新緑のなかの草木

雨が速く荒々しく降っている

 

________

(*) Mothergate - この詩において、母は、一般の「母」を意味しない。それは、「道」「信仰の哲学」を示す。例:

 

 

 

 

森井香衣(Kae Morii

森井香衣:日本詩人クラブ会員、世界芸術文化アカデミー終身会員、IWA終身会員。 彼女はいくつかの文学賞と詩コンテストの受賞者を受賞しました。 彼女は世界中に紹介されています。

 

 

 

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